最低限守って欲しいルールとマナー
磯釣りとは荒々しい大自然の中に身を置かれます。
雄大な景観とどこまでも続く海原、魚の豊富さは釣り人を魅了します。
反面牙を剥けば他の釣りに比べ、人の命など簡単に奪ってしまう危険性を兼ね備えています。
これから磯釣りをしてみようと考えている方は、きちんとルールとマナーを守らないと他人に迷惑をかけるばかりでなく、人命に関わる事態に陥ることもありえるのです。
釣りの基本的なマナーに加えて、磯独自のマナーを書いていきます。
1.荷物はコンパクトに。
海が荒れ出すとあっと言う間です。 ほんの数分間で海は豹変します。
荷物を広げて片づける間に波が襲ってきたということもあります。
取り出した道具で不必要な物はクーラー等にしまい,必要な物はベストのポケットに入れましょう。
ロッドケースやクーラーもきちんと閉めていつでも持って逃げれるようにひとまとめにしましょう。
道具類はベテランほどコンパクトになっていきます。
特に沖磯は天候が急変したときは迅速な渡船の回収が多くの命を救います。
自分だけではなく,他の釣り人の命にも関わっているということを忘れないように。
2.ライフベストは脱がない
どんなに暑くてもどんなに窮屈でもライフベストを脱いで釣りをしてはいけません。(暑かったら服を脱いですぐにベストを着て下さい)
水温が低下してくると落水すればたちまち体力を奪われて泳げなくなり沈んでしまいます。
体力が無く気を失ってもライフベストを着ていれば浮いています。助かる確率が高くなります。
ライフベストの股ひもは必ず留めておいてください。(留めておかないと落水時にすっぽ抜けます
3.天候が急変したらすぐに釣りをやめる
天候が急に悪くなり波が高くなり始めたら釣りをやめた方がいいです。
太平洋側は時々地震に見舞われますので、地震が起きた後は津波が襲ってくる可能性もあります。
すぐに帰るか,別の安全な場所に移動する事をすすめます。
波の速度は人間の走る早さよりも早いのです。
4.いざとなれば荷物は捨てろ
荷物に対する未練は残りがちです。
もし、高波が来て危ないと思ったら荷物は捨てて逃げてください。
道具はまた買えます。
荷物を拾っている時間があれば高い場所へ逃げましょう。
また、道具を持っていると波しぶきをかぶった時には、水の抵抗が増すので体勢が保持出来ず危険です。
5.干満に注意
地磯でよくありがちなのですが,引き潮時に渡れる岩があります。
満潮になって帰れなくなることがありますので,満潮時を基準として磯に渡って下さい。
次の引き潮まで待つのは心細いですぞ。
6.絶対に海に入るな(夏場は特に)
2番で書きましたが泳ぎが上手だからと言って海には入らないことです。
グレが釣れる様な磯はかなり潮が早いのです。
上から見たら大したことはないと思いがちですが、外洋に流れている潮の早さは人間が泳げるものではありません。
あっと言う間に流されてしまいます。
波が高くなり危険を感じたら
海が大荒れになって波をかぶるようになってきた場合は、高い場所があるならば出来るだけ高い所に逃げて救助を待ってください。
渡船でさえ磯付け出来ない状況になったら海上保安庁の救助を待つしかありません。
高い場所の無いような独立した岩なら・・・・
落水を覚悟して、としか言いようがないです。
ただ、その際でもロープやピトンなどを利用して体を固定したりしないように。
波に揉まれて岩に体を打ちつけられて亡くなった方もおられます。
もし、落水してしまったら
外洋に面した磯際では波の高低差があるので、体が岩に打ちつけられがちです。
無理に磯に寄ろうとせず、真っ先に頭部を守るようにしてください。
一番危ないのは磯に這い上がろうとして磯際にいることです。
磯際の壁はカメノテやフジツボなどがびっしり付着している場合が多いので、怪我をしてしまい容易に上がれなくなります。
落水した場合は沖の方へ出た方が安全です。
『救助は浮いて待て』と言う言葉があるぐらいです。
背中を下にして体の力を抜けば、ライフジャケットの浮力で自然と浮いてきます。
もし、同行者が落水したならば、クーラーボックスなど水に浮く物は何でもいいから落水者の近くに放り込んでください。
冬の海は外洋で水温が10度から13度ぐらいにまで落ち込みます。
体力のある人でも低体温になり30分ぐらいで意識を失います。
落水者はウキになる物にしがみついているだけでも助かる確率は遙かに高くなります。