磯の醍醐味は何と言っても大海原にぽつんとたたずむ沖磯での釣りです。
陸に接した岩場と違って人の侵入が少なく、潮の通りも良いため魚影が濃く、数、型共に豊富に釣れる一番の近道です。
反面,厳しい自然のまっただ中にさらされるため、気象の急変、救助の遅延という危険と背中合わせの環境でもあります。
ここでは、渡船店を利用した沖磯の楽しみ方、マナー、心がけを解説します。
沖磯とは四方が海で囲まれた海の上の岩場を指すだけでなく、船を利用しないと行けないような地磯も含め、総称して呼んでいます。
先輩方が築いてきた船の乗船マナー、磯の上での釣りのマナーは必ず守るように心掛けて下さい。
心無い釣り師一人のために、磯釣り師全員に悪影響を及ぼすことがあることを肝に命じて下さい。
沖の一級磯と呼ばれる磯はいきなり行っても上がれるものではありません。
どうしても渡船店を利用しなければ行けない場所ですので、最初は一級磯とか考えずに、安全第一の場所選びを考えましょう。
最近は航空写真での書物が販売されておりますから、磯の状況を判断することが容易になってきました。
まず最初は,経験者にどこがおすすめかを聞くのが一番手っ取り早いです。
目的地を定める条件は、交通が比較的便利なところ、足場の良い広い磯が数多く存在する場所、当日の気象条件、釣りたい魚の種類です。
1:交通の便
交通は便利な方がいいに決まっています。
遠く離れた場所への遠征では、途中の行程に餌屋が1件も無い、渡船店に行くまでに厳しい道を通らなければいけないなんてケースもあります。
行き道より帰りの事を考えましょう。
1日中釣りをして、疲れ切った体で運転するのはたいへん危険です。
特に磯釣りは1日中不安定な岩場の上に立ち込んで釣りをすることが多いですから、慣れないうちはかなり体力を消耗します。
渋滞とかの遭遇は仕方がないとしても、山をいくつも超えたり、長時間の運転となるような場所へ行くことは出来るだけ避けましょう。
2:磯数
磯釣りは1日中立ちっぱなしで釣りをすることが多くあります。
磯の形状によっては全く座れないような絶壁、満潮時には波がかぶる岩、釣り人との間隔が詰まった状態の磯と言うのが多々あります。
このような磯では疲れたときに休憩を取ることもままなりません。
磯数が豊富な釣り場では、全体の収容人数のキャパシティが大きいため、自分の望む条件の磯を希望することが出来ます。
有名な磯は、休日とかはたいへん混み合いますので、行ったことのある人やベテランのアドバイスを必ず受けた方が賢明でしょう。
3:気象条件
目的地を決定する上で欠かせないのがこの気象条件です。
気象庁の長期予報や前日の天気予報から、当日の天候が予測できます。
特に台風の発生する時期、冬の季節風の吹き荒れる時期は特に注意しましょう。
釣り場は向かい風には非常に弱いものです。
例えば南西を向いた釣り場では南や西の強風が吹くと、海が大荒れになって釣りどころではありません。
また、台風が太平洋上で発生すると、太平洋岸の釣り場はうねりが押し寄せてきます。
冬場の日本海では天候が急変したりします。
天気予報は風の向きや風力、沖合の波高は必ずチェックしましょう。
電話の天気予報で必ず流れています。
現地の市外局番+177で聞くことが出来ます。
4:目的の魚種
磯釣り場にはそれぞれ、チヌ場、上物場、底物場、又はフカセ、カゴ、ブッコミと目的とする魚によって別れてきます。
磯の周囲の海底の形状、潮流の流れる向きによって住みかとしている魚の種類が異なるからです。
底物場でいくらチヌを目的としても釣れません。
目的の魚を決めて、それに応じた釣り場を選択しましょう。