ウキの役割

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3.沈めてどうする?

 前項で「沈め探り釣り」のことに触れたが、沈め探り釣りの基本テクニックは情報誌や釣りの本を読んでいるとよく書かれているのでそちらを読んで欲しい。

 だが、この釣り方はややもすれば大きな勘違いを産んでしまう釣り方である。

 ただ単に沈めれば魚の口元にエサが届いてアタリがあると思っている人が実際に存在するのは困りものだ。
 よく見るとラインは出しっぱなし、沈めっぱなし。
 あれじゃアタリがあっても竿先まで伝わってくるかどうか?
 沈めればいいってモンじゃない!

 沈め探り釣りをしようと思っている貴方。
 貴方は何のために仕掛けを沈めるの?
 それが流行の釣り方だから? それともこれが一番魚が良く釣れると思ってる?



 はっきり書かせてもらうと、こんなに魚の釣りにくい釣り方は無い。
 沈め探り釣りは仕掛け全体の比重を使ってジワジワとタナを探りながら釣りをしていくのだが、仕掛けがタナを通りこしてしまってもズンズン沈んでいく。
 だからラインをわずかに張ってウキが水深をキープするように努めるが、張り続けていると引っ張る方向に戻りながら沈んでいってしまう。
 そうならないように再びラインを緩めて潮流に乗って進めながらまたジワジワ沈ませていく。
 やがてエサは魚の口元へ・・・・届くか??


 実際はどうだろうか。
 ウキは海中に沈んで全く見えない。 
 かすかに見えていても魚のアタリなんて判断できない。
 おまけに風が強ければラインのコントロールはやりにくい。
 サラシのせいでラインがコースをはずれて大きく流されてしまうこともある。
 しばらくたって仕掛けを上げてみればエサは取られて針だけ。
 エサ取りか本命かもわからない、いつ取られたのかもわからない。
 こんな釣り方なのだ。

 
 何度も書いているが、釣り荒れしたことによって良型の魚は数が少なくなってしまい、できるだけ高確率で良型を釣るために、我々釣り人は持てる限りのテクニックを駆使して魚の口にエサを運んでやらなければならなくなった。
 仕掛けを誘導する技術が必要となったのだ。
 ただ闇雲に沈めて行けば潮流が魚のところへエサを届けてくれると思ったら大間違いだ。
 それが理解できない者は1日中エサ取りとたわむれることになるか、釣れないと嘆いてヘソ天で昼寝することになる。
 
 この釣り方をするには、ただ単に沈めるだけでなく潮流に乗せるため、ウキの浮力を殺して沈下速度を調整する仕掛け作りが必要であり、ラインを張ったり緩めたりしながら海中を探っていくという高度な技術と長時間の集中力が必要となる。
 良型の魚がいるであろう場所へと仕掛けを誘導するためのラインコントロールと潮の読みが必要不可欠となる。
 釣り場へ行くために夜通し車で走って睡眠不足の上に、不安定な岩場の上でこの釣り方を1日中続けるなんてとんでもないことである。
 簡単にこなせるという物ではなく、かなりの熟練が必要となってくる。

 全くとんでもない釣り方だ。


 天狗ウキやディセターを使った釣りは時としてこの沈め探り釣りを行うのだが、それはバリエーションの一つに過ぎない。
 それを勘違いされて天狗ウキやディセターは沈め探り釣りをする道具だと思っている方がいかに多いことか。
 基本的にはウキを浮かせて使うものなのだ。
 つまり、天狗ウキやディセターはあらゆる条件・あらゆる釣り方が出来る道具であり、全て使いこなすためには、片寄った固定観念を捨てて欲しいのである。


 残念ながら私はまだ天狗ウキやディセターの使い方全てを習得しきっていない。
 偉そうなことを書いてきたことをここで陳謝する。
 だがある程度は理解できているつもりなので、これから今まで習得してきたことを順々に述べていくことにする。
 皆さんの何かのお役に立てれば非常に光栄だ。

 それでは次より天狗ウキとディセターに関して詳細に書いていきたい。

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