魚の居場所を探す
今まで書いてきた内容で釣りをすれば魚が釣れるか？って言うとそんな甘いものじゃないのは皆さんおわかりだと思います。
釣りをしていると「魚が釣れる状況＝理想的な流れ」というのがあります。
理想的な流れに当てはまらないと小刻みに仕掛けを流していってもうまく流れてくれません。
餌をかすめ取られてアタリも明確に伝わらなかったり、仕掛けが変な方向に流れてしまったり。
どんなに自分の持つ仕掛けパターンと技術を駆使してもどうにもならない状況があります。
また、理想的な流れの状況になっていても魚に食い気が無ければ釣れるわけはありません。
魚を釣るためには、魚の食い気と潮流とがぴったりと合わないとなかなかうまくいかないものです。
そこのところを勘違いしないで読んでください。
私が釣りに行って行うことは、
１．海を観察する
２．撒き餌で魚をおびき寄せる
３．魚の反応を見る
４．良型の魚が食ってくる場所を探す
の、順番で始まります。
このページでは上の４番の「魚の食ってくる場所を探す」ことについて書きます。
見える魚は釣れます。
磯の近くで警戒心を持った魚はなかなか刺し餌を食おうとはしませんが、少し磯から離れて警戒心が薄らいだり、魚の活性が極めて良い時は簡単に釣れます。
そんなときは魚を探す必要はありませんよね。
一番悩まされるのは餌取りビッシリで磯が囲まれてしまった時。
餌取りたちの下に良型がいるのでしょうけど、良型の所にたどり着く前に餌が無くなってしまうのでどうしようもないです。
次に悩むのが餌取りを含む魚が全くいない時。
冬場の低水温期ですと餌取りさえ見あたらず、魚がどの深さにいるのか判断できないことがあります。
通常ほとんどの場合がそうなのですが、良型の魚ほど人間の目では見えない領域で食ってくることが多いです。
食ってくるポイントは極めて狭いエリアということが多くあります。
では、その狭いエリアはどんな所かと言うと「
撒き餌の流れ着く場所」と思っています。
この撒き餌の流れ着く場所へと仕掛けをスムーズに運ぶ必要があります。
天狗ウキとディセターのような流れに敏感なウキを用いることは抜群の効果を発揮するわけです。
天狗ウキを解説した物の中で「
魚の口元に餌を届けてくれる」という文章がありました。
おい、ちょっと待て！と言いたくなります。
文面通り受け止めればウキが勝手に運んでくれると解釈しがちです。
これを勘違いして
何だ!?このウキは!! と使うのをやめてしまった方は非常に多くおられます。
天狗ウキが市場に広まり始めた当初、この言葉を解説した詳細なマニュアルが無くて多くの誤解を生んでしまった一因です。
磯の近くを流れる潮に乗せたから勝手にその場所へ連れて行ってくれるわけではありません。
どの潮筋の流れに仕掛けを入れるかは釣り人が決めなくてはいけないのです。
どの深さを探っていくかは釣り人が決めなくてはいけないのです。
どこまで流していくかは釣り人が決めなくてはいけないのです。
天狗ウキやディセターはこの決定事項に対して釣り人が取る行動を補助してくれるタックルにすぎないのです。
これらのことを忘れないでください。
入門編の潮流で解説した「水中へ潜り込む流れ」というのがあります。
流れていく撒き餌はこの流れに吸い込まれて海中へと流れていきます。
潮流に敏感な天狗ウキやディセターはこの潜り込む流れにぶつかると、流れに反応して撒き餌とともに潜行していきます。
この流れに魚が集まりやすいということは説明しましたが、どの「水中へ潜り込む流れ」に魚が一番集まっているかは釣り人が探さなくてはいけません。
途中で潜行が止まってしまう流れもあります。
魚が少ない流れもあります。
一筋一筋仕掛けを投入して探っていくのです。
いつもよく通って海底の地形を把握していたり、魚が食ってくるポイントを熟知しているのならば問題有りませんが、初めての磯とかあまり釣ったことのない場所とかならば、どこをどう流していいのかわからないものです。
潜り込む流れが見つからない時があります。
潮流の状況によっては磯の周辺に全く無い時もあります。
そのようなときは右図のように一投ごとに投入点を変えて流していきます。
時には５０㎝刻みで投入点をずらしていくことがあり、そのために正確に投入していきます。
一通り流し終われば、次にウキをチェンジして潜行速度を速めたり、ウキ下を長くしたりして様々に探っていき、魚が食ってくる場所を探していくのです。
応用
全く流れがつかめない時に私が実際に行っているやり方を参考としてあげておきます。
あくまで参考ですからね。釣れなかったって言っても知らない。...(((((
((;^^) 比重のある沈むナンバーのウキを使用します。
状況としては魚が目視できず、その日の魚のタナが全くわからず、判断に苦しんでどうしようもない時に行います。
潮流に乗せて沈ませながら流していき、一定の深さまで到達したと判断したら全く糸の出を止めてしまいます。
ウキはテンションがかかるので次第に浮上を開始します。
一定の深さまで上がったと判断したら再び糸を出して潜行を開始させます。
そしてこの繰り返しを行います。
つまりジグザグに探っていくようにするわけです。
頭の中での想像では上図のようになると思っているのですが、実際も近い物だと思っています。
強くテンションをかけるため本来の流れからはずれやすい欠点があるのですが、魚が食ってくれば竿先までアタリが明確に伝わってきます。
