高価なウキをできるだけ長く用いたいのはどんな方でも同じ思いでしょう。
私が今まで行ってきたメンテナンスを紹介します。
1.製品を購入した時 天狗ウキの場合:
天狗ウキの特徴として本体の下部にオモリの付いたカンが埋め込まれてあります。
本体とカン部分との接点にほんのわずかな隙間が生じていることがあります。(目では確認できません)
表面上の破損が無いにも関わらず水分が進入してしまうのは、この接合部の隙間から海水が進入するのではないかと考えてます。
そこで、実際に海上で使用する前に、この接合部に接着剤を薄く塗り、海水の進入を予防しております。
ディセターの場合:
ディセターは特に何もする必要はありませんが、古い時期に製造された一部の物でカンのネジ部が底部を貫通して内部に達している物があります。
見極めは、カン部分をペンチでゆっくりとねじってやると普通のネジのようにするするとはずれてきます(固い場合はねじ切ってしまう恐れがあるので慎重に)。
小さな1ミリぐらいの穴に針を通してやって、途中で引っかかる物はふさがっています。
針が引っかからずに内部にまで通ってしまう製品は海水の進入を許してしまいがちなので、カン部分を戻してから金属部周辺に接着剤などでコーティングして海水の進入を食い止めておきます。
2.海から帰ってきたら
海から帰ってきたウキは塩分が付着しています。
どちらの製品も放置しておくとカン部分の腐食が始まりますので、真水で洗ってやり陰干ししておきます。
3、補修
丁寧に扱っていても磯にぶつけたりしたかすかな傷から海水が侵入してくることがあります。
比重の狂ったウキはそのままでは何の役も果たさなくなります。
沈下速度が変化した場合で番号の大きい比重が小さなウキならば、外部の傷を補修下後、自宅の洗面所などで他のナンバーのウキと比較して沈下速度を推察し、表示されてあるナンバーを書き換えて別の機会に使用する方法もあります。
私は以下の方法でメンテナンスを行っています。
A、乾燥 天狗ウキの場合:
野球のバットを作る際に、素材を乾燥させるのに1~2年もかかることから、一度進入した海水を乾燥させることは非常に困難です。
過去の失敗例では、
1、食器乾燥機に長時間入れる。→無駄でした。
2、ウキの表面の塗装をはがし、水分の逃げ場を作ってやってから食器乾燥機に長時間入れる。→塗装はがしは下地の白い部分まではがす必要があるので最初は良かったが、わずかな傷より海水が再侵入してきた。
3、電子レンジに入れる。→火災の原因になります。
危険ですので絶対止めましょう。 金属部分より火花が出ます。
現在初心に戻り、乾燥剤を入れた箱に入れ、気長に待つことにしました。
実際に行ったデーターです→ 1年後の結果報告
ディセターの場合:
ディセターは内部が中空構造になっており、海水が進入したウキを左右に振るとポチャポチャと水の音がするようになります。
この水を抜き取ることは非常に困難です。
方法は一つだけ考えついたのですが、きちんとした工具と普通では入手しにくい道具が必要です。
しかも、失敗すれば取り返しの付かないことになりますので、ここでは書きません。
どうしても知りたい方はメールにてお問い合わせください。
B、塗装 天狗ウキの場合:
塗装のはがれは再塗装することによって修復できますが、塗装の皮膜の重量によって、微妙に比重が変化するのはどうしようもありません。
表面の凹みなどは、埋めることを考えずにそのまま塗装した方が良いでしょう。
東邦産業(株)より発売されている、蛍光塗料UNIの赤橙色が最も近い色をしております(イエローカラーを除く)。
このままでは、水分が侵入しますので、同社のコーティング材か、エポキシ樹脂を塗りましょう。
ラッカー系の塗料は、試したことがありませんが、素材と、従来の塗料との相性が悪いらしく、使用中に剥離する可能性があるため使用しないほうがいいでしょう。
私の場合、表面の強化のため瞬間接着材を薄く塗っております。
知人はマニュキアを塗っておりますが、これも良い手でしょう。
ディセターの場合: ディセターは素材の色のまんまですから塗装の必要はありません。
ディセターの浸水経路として考えられるのは、先に記述したカン部分以外に上下パーツの接合部が考えられます。
ロゴマークと番号表示の印刷の下にある線がそうです。
複雑な形状ではめ込み式になっているのですが、強い衝撃を与えた場合、この接合部がゆるんできて海水の進入を許してしまうと思えます。
この接合部を接着剤か何かで薄く塗り、コーティングすることで海水の再進入を予防することができます。
4、何もしていないのにカンの部分が抜けた場合
メーカーに送り返して交換してもらいましょう。(^ー^)v