*秘伝 -潮目- 海には流れがあります。 流れの方向、速さは一定ではなく毎日数時間ごとに絶えず変化しています。 同じ湾内の海でも場所によって流れの強さ、速さ、方向の異なった流れが幾つも存在しており、複雑に絡み合っています。 この写真は平成21年4月29日の風の無い日に撮影した大阪湾です。 黄砂が空一面を覆っていることから風がほとんど無いというのがおわかりいただけると思います。 海を見ると幾つもの筋状の模様がはっきりと出ています。 なぜ、同じ海なのに流れの強さが違うのかは私にはわかりませんが、それぞれの流れの強さや方向が異なるためにこういった模様になります。 この海の模様のつなぎ目の筋=流れと流れのぶつかるラインのことを潮目と呼んでいます。 この潮目は小さな渦が幾つも巻いていたり、海底へと沈み込む流れがあったり、わき上がっている物があったりで、複雑な水流が出来ており、潮目付近はお互いが引きつけられる流れとなっています。 防波堤付近に出来た潮目です。 沖の流れと、堤防際にぶつかって反転してきた流れが潮目となり、一筋の線となって表れています。 潮目にもいろんなタイプがあり、大きな流れがぶつかり合い表層から海底まで壁が出来ている物、表層だけが風に押されて堤防などにぶつかって反転してきた流れと本流とがぶつかっている物、海中で異なる流れがぶつかり合ってわき上がっている物などなどです。 流れがこの潮目に向かって流れ込むため、この周辺はプランクトンやエサになる小魚が集まりやすく、従って大きな魚も補食のために潮目に近寄って来ることが多いのです。 グレのフカセ釣りなどではこの潮目が、釣果を伸ばす重要なポイントとしています。 私たちが上空から見ているだけでは、潮目がどんな流れなのかよくわかりませんし、風が強い日や波の荒い日には潮目がどれなのか全くわからないことが度々あります。 では、どうやって探し出すかと言うと、潮が沖に向かって左右どちらかに流れている場合、近くに潮目が出来ていれば、必ず潮目のある方向へと引かれて流れていきます。 堤防の近くにある場合は堤防の方へ寄ってきますし、少し沖にある場合は沖へと進みながら流れていきます。 そして潮目にぶつかれば、潮目に沿って流れていきます。 だいたいの潮筋がわかれば、次の仕掛け投入からダイレクトに潮目に向かって撒き餌と仕掛けを放り込めばいいのです。 潮目は1日中同じ場所にあるわけではありません。 陸から離れたり近づいたり、時には蛇行したり刻々と変化しています。 潮の変化にあわせて釣りをしていきます。 チヌ、ハネ釣りの場合はグレなどと異なり潮目はあまり重要視されませんが、短時間で魚のいる場所=ポイントを知るための目安としてください。 |